敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
どうやら今日の私のお供として、橘田さんを招いてくれたらしかった。

「いいんですか?」

私は橘田さんに問いかける。

ここで仁くんの帰りを待つだけなのはつまらないし、せっかくニューヨークにいるのに引きこもっていてはもったいないと思っていたけれど、橘田さんの迷惑にならないだろうか。

「奥さまがよろしければぜひご案内させてください」

橘田さんの気さくな雰囲気に、私は心が躍った。

右も左もわからない異国の地でひとり出歩くのはためらっていたが、彼女が一緒なら心強い。

「橘田さん、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いいたします」

話がスムーズに進むと、仁くんも満足そうで、「ふたりとも楽しんでこいよ」と言い置き、秘書さんと仕事に向かった。

橘田さんとふたりきりになった私は、彼女をリビングのソファに導いて、今日の大まかなスケジュールを練り始める。

「奥さま、まずはどこに行きたいですか?」

橘田さんに尋ねられた。

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