敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「あ、奥さまではなくて名前で呼んでいただけるとうれしいのですが……」

なんだか奥さま呼びはむずかゆい。

「では美玖さんとお呼びさせていただきますね」

「はい。こちらも咲和さんでいいですか?」

「もちろんです」

お互いの呼び方が決まったところで本題に入る。

「具体的にどこという場所ではないのですが、ニューヨークのご当地グルメが気になっているので、それを食べに行きたいです」

私はいくつかの料理を思い浮かべながら答えた。

「チキンオーバーライスなどのB級グルメでしょうか?」

「はい。食べ歩きがしたいです」

食欲を前面に出す私に、咲和さんは「いいですね」と白い歯をこぼす。

「有名な観光地は後日社長と回られるでしょうから、今日はぜひそうしましょう」

ミッドタウンにあるホテルからダウンタウンの方角へ、街中の至るところにある屋台を目指して出発した。

まずはチキンオーバーライスとロブスターロールのフードトラックに並ぶ。

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