敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい
「仁くんについてですか?」

私は首をかしげた。

どういった話なのか見当もつかない。でもこんなに美しい女性がいきなり訪ねてくるなんて、とても気になった。

マンションはすぐそこだが、さすがに家に入れるのは憚られ、近くにあるこぢんまりとしたカフェに入る。

適当に注文した飲み物が運ばれてきても、雪村さんはそれに口をつけることもなく私を凝視していた。なんだか品定めされているような、少し不快な視線だ。

「あの、なにか……?」

「すみません。奥さまにずっとお会いしたかったので、つい見つめすぎてしまいました」

執念のようなものを感じ、私は警戒した。

ここに来てやっと、もしかして雪村さんの用件はよくないものでは……と不安になってくる。

「私、仁さんがあなたと結婚するまで、彼と交際していたんです」

彼女は強い目をして私に暴露した。

どうやら彼女は仁くんの元カノらしい。

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