年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
「おはようございます、なぎささん」

「愛莉ちゃん、おはよー」

「おはよう、皆川さん」

「えっ!若旦那さんっ!」

部屋を出たところでバッタリと愛莉ちゃんに出くわし、私の後に続いて部屋から出てきた潤くんに驚いたのか愛莉ちゃんはハッと口元を押さえながら目をぱちくりさせる。

「お泊まりだったんですか?」

「今日は早番だから、家に帰るよりもここにいた方が楽かなって思って」

「あ、ああ~、なるほど」

愛莉ちゃんは私と潤くんを交互に見ながら、ほんのり頬を赤らめる。

「なんか、いいですね。ラブラブで」

「えっ、ラブラブ?」

「そう見えているなら嬉しい。ありがとう」

愛莉ちゃんの反応に内心どぎまぎしたのは私だけ。潤くんは柔らかく微笑むと私の腰を引き寄せながら歩き出す。

そんな私たちを見た愛莉ちゃんはますます頬を染めながらなぜか恥ずかしそうに後に続く。

いや、恥ずかしがる立場は私だと思うんだけど。先に回りに恥ずかしがられると逆に恥ずかしさが飛んでいくというか大胆な気持ちになるというか。

「潤くん、普通に歩けるから」

「お客さんの前じゃないからいいだろ。なぎを誰にも取られたくないし、自慢したい」

そっと耳打ちしたのに彼は何でもないように言い放ち、そのまま私を女将の部屋までエスコートした。
< 111 / 117 >

この作品をシェア

pagetop