俺がお前を夢の舞台へ
それもそうだ。


これ以上の追加点は許されず、それでいて満塁な緊迫した場面で交代できるピッチャーはいない。


甲子園が、蒼空の夢が、皆の想いが、勇翔の腕にかかってる。


勇翔が渾身の一球を放った。 


―カキーーンッッ!!


「っ!!やめて…」


高らかと舞う白球。


打球を追うのをやめるレフト。


うぉぉぉぉっ!!と盛り上がるレフトスタンド。


声にならない悲鳴が漏れるライトスタンド。


そして、観戦客の中へと消えて見えなくなった白球をいつまでも目で追い続けるエースの背中。


ダメ押しの満塁ホームランだった。


9回で0-6。


あぁ…甲子園には行けないんだ。


夢は叶わなかったんだ。


そんなことを思ってる自分がいた。
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