俺がお前を夢の舞台へ
スコアブックが涙で滲む。


書きたくもない満塁ホームランを記録しなきゃいけない。


勇翔が被弾した。


大一番で。


ダメ押しの満塁ホームランを食らった。


蒼空の夢が消えてなくなるかもしれない。


叶わないかもしれない。


これまでわずか2安打の橘打線が、どうやって6点も取り返すの…?


「藤野。泣くな。アイツらを信じろ」


「……すみません…っ」


まだ負けたわけじゃない。


希望はまだある。


頭では分かってても、心が追いつかなかった。


「…蒼空ならそう言うだろうな。アイツは仲間を信じる力が誰よりも強かった」


蒼空なら…。


“大丈夫だから”
“アイツらを信じろ”


「アイツらは諦めてなんかいねぇよ。勇翔の顔見てみろよ」


“何があっても、最後の最後まで諦めるな”
“選手たちは常にその心持ちで戦ってる”
“だから彩絢も、最後まで諦めずに応援してやって?”


「俺ら顧問やマネージャーは、試合ができないぶん、信じるのだって難しいかもしれない。でも、信じるのが俺らの仕事だろ?」


“アイツらを最後まで信じて、最後まで駆け抜けてほしい”
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