隣の不器用王子のご飯係はじめました



姉さんが手伝いを求めてこなかった理由がよくわかった。

ヒーローの名前が“ヒロキ”でヒロインの名前が“アカリ”なのだから、俺たちをモデルにしたことを隠そうとすらしていない。


そして内容は、ヒロインが隣の家に住む生活力のないヒーローのために料理を届け、それにより惹かれ合っていくというものだった。

サトウレナらしく、短編ながらも二人の細かな心情が上手く表現されている。


……いや、そんな冷静な評価は今はいらない。

俺は漫画を床に広げて読み返し、冷たく嫌な汗が流れた。


何で……バレてるんだ。



「いつから知ってた?」

「んー?何をー?ひろがありりんに恋しちゃってること?そりゃあわかるよー、お姉さまですから!」



どうだ、と胸を張る姉さんに、俺は強いめまいを覚える。



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