隣の不器用王子のご飯係はじめました
俺は先ほどよりいくらか落ち着いた口調で言った。
姉さんは、小野山さんに夕ご飯を作ってもらうお礼として、自分が描いた漫画を発売前に読ませるという約束をしていた。きっと、この漫画も小野山さんが来たらすぐに見せようとする。
「えー、何で?」
「こんな、明らかに自分をモデルにされて……しかも俺をモデルにしたキャラと恋愛してるなんて、嫌に決まってるだろ」
「まっさかー!ありりんは喜ぶよ!」
「喜ぶわけな……」
いや、姉さんのファンだと公言する小野山さんは、好きな漫画家に自分をモデルにしたキャラをつくってもらったと喜ぶ可能性はあるか。
……内容が不本意であったとしても。
小野山さんには、どうやら好きな人がいるらしい。
テスト前あたりに、小野山さんは「友達を傷つけるような隠し事があり、悩んでいる」と言った。
そんな小野山さんに対し、姉さんがこんなことを聞いていた。