青空

はじめての壁やぶり 幸矢

ほんとに川越の言う通りだった
何か言われるだけで辞めるとかただのクズじゃねーか?

中学の時も同じだった
野球部に所属していて同じく何か言われて
中2の途中で中退した

勉強も得意なわけではない

何もないじゃねーか、、
何でも中途半端。

ようやく、それに気付くことができた
いや、気付かないふりをして現実から逃げていた
自分と向き合わないといけないんだ

あいつの言うことは全て正しい
俺の気づかないふりをしてたことをわかっているんだ
すごく前向きになれた
あいつはいつでもプラスだし
あいつがいるだけで周りも明るく見える

それに比べて俺、、
何かうまくいかなかったら他人のせいにしていじける
せっかく応援してるやつがいるのに
また、同じことの繰り返し

あいつが納得するように
周りも驚くまでに立派なやつになるんだ

今日からまた部活。いざ、ロッカーへ!

目を一瞬閉じて扉を開けた
開けたけど静かだった。
あれ、、?誰もいない、、
いつもはバックがあちこちおいてある。

!!そうだった。
この間の試合の振り返え、、
ま、今日も自主練、自主練

17:20
そろそろ帰ろうとした時
あいつから電話

日向「もしもしー!部活、終わった?どうやった?」
幸矢「今日、試合の振り返えの日で誰もいなかった、、」
日向「うそー!あらまー!」
幸矢「でも、自主練、さっきまでしてたー」
日向「おー!えらいじゃん!」
幸矢「お前はもう家?」
日向「うん!料理してたよー!」
幸矢「すげー。今日は行けなかったけどまた、明日から頑張る!」
日向「ファイトー!ダメな時は上を向いて!!」

電話した後、上を見上げた
おー!夕焼け!
空ってこんなきれいだったんだな
あいつの言ってたことがようやくわかった。
うし!また、明日から頑張るとしますか!

気合いを入れるためにボサボサ髪から少しバリカン

次の日
クラスの教室に入った
「うす!お!バリカンしてるじゃん!」
幸矢「まあな!気合いw」
「何か、最近、明るくなったな!また、今日から部活だろ?」
幸矢「今日から再開の予定!」

いや、予定やなくて確実に。
この口がいけないんだ、、

そして今日こそロッカー
既にガヤガヤしてる

日向:何か言われても気にしないこと!
幸矢:うす!頑張る

幸矢「お、お疲れ様でーす、、」

一瞬、場が白けた
「辞めたんじゃねーのかよ」
「さぼってまたくるとか論外。だせー」
幸矢「すまん、もう1度、中に入れさせてくれ、、」
「、、絶対だぜ。そう言ってまた失敗、おかすんだろっ」
幸矢「少しは練習した。悪いと思ってる。悪気はねーんだ」
「随分、張り切ってるみたいだな。とりま、最後な」

なんとか中に入れてもらった

そしていよいよ練習試合

「Bの勝ち!」
「下村、ナイス!だいぶいーじゃねーか!」
幸矢「うす!もっと頑張る」

よし。勝った!
勝つってこんなに気分がいい

「お疲れー。下村、明日からも頑張れ。俺らも言いすぎた、すまん」
幸矢「どうも。もっと練習して強くなる」

川越に報告した
幸矢:今、部活終わった。勝った!明日からもいける!

すぐに電話がかかってきた
はえーw

日向「よかったじゃん!ね!言ったでしょ!」
幸矢「サンキューな!」
日向「そう言えば見たよー!楽しそうにキックしてたー。バリカン、似合うじゃん!」
幸矢「うわー、はず!気合いの為にw」
日向「明るくなったよね!こっちの方が好き♪」

胸があつくなった。
好きって言葉に引っかかった
ただ単に明るい方がいいってことだ
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