聖夜に身ごもったら、冷徹御曹司が溺甘な旦那様になりました
「予定は空いていると言ったよな。勝手に帰ったら承知しないぞ」
ようやく自分のデスクへと戻っていく彼の背中を玲奈は呆然と見送った。
(あの人は誰? いったいなにが起きているの?)
パソコンに向かう彼の顔を玲奈はまじまじと見つめてしまった。すると視線に気がついた彼がゆっくりと顔をこちらに向ける。ばちりと目が合うと、彼は甘い微笑を浮かべた。
玲奈は慌てて視線を外す。自分のあずかり知らぬところで、なにか恐ろしいことが起きているような……玲奈は一抹の不安を覚えた。
終業を知らせるベルが鳴ると、十弥はツカツカと玲奈のもとへやって来た。
「なにが食べたい?」
「いや、あの……」
いったいなんのために、ふたりで食事をするのだろうか。彼の考えていることがさっぱりわからない。それに今日の玲奈はいつもに増して体調不良だった。ふらふらして、身体に力が入らない。目の前の十弥の顔にも薄もやがかかって見える。
「おい、芦原っ」
ぐらりと大きく傾いた玲奈の身体を十弥が抱きとめる。玲奈の顔は青白く、唇がかすかに震えている。玲奈は弱々しく顔をあげ、彼を見た。
「すみません、このところ体調がすぐれなくて。病院に行こうと思っていたのですが」
十弥はぴくりと眉を動かす。
「どこの病院だ? 今から診察可能なら送ってやる」
「いえ。電車で行きますので」
「そういう遠慮は無駄だ」
彼は問答無用で玲奈をひっぱっていき、車の助手席に押しこんだ。
ようやく自分のデスクへと戻っていく彼の背中を玲奈は呆然と見送った。
(あの人は誰? いったいなにが起きているの?)
パソコンに向かう彼の顔を玲奈はまじまじと見つめてしまった。すると視線に気がついた彼がゆっくりと顔をこちらに向ける。ばちりと目が合うと、彼は甘い微笑を浮かべた。
玲奈は慌てて視線を外す。自分のあずかり知らぬところで、なにか恐ろしいことが起きているような……玲奈は一抹の不安を覚えた。
終業を知らせるベルが鳴ると、十弥はツカツカと玲奈のもとへやって来た。
「なにが食べたい?」
「いや、あの……」
いったいなんのために、ふたりで食事をするのだろうか。彼の考えていることがさっぱりわからない。それに今日の玲奈はいつもに増して体調不良だった。ふらふらして、身体に力が入らない。目の前の十弥の顔にも薄もやがかかって見える。
「おい、芦原っ」
ぐらりと大きく傾いた玲奈の身体を十弥が抱きとめる。玲奈の顔は青白く、唇がかすかに震えている。玲奈は弱々しく顔をあげ、彼を見た。
「すみません、このところ体調がすぐれなくて。病院に行こうと思っていたのですが」
十弥はぴくりと眉を動かす。
「どこの病院だ? 今から診察可能なら送ってやる」
「いえ。電車で行きますので」
「そういう遠慮は無駄だ」
彼は問答無用で玲奈をひっぱっていき、車の助手席に押しこんだ。