聖夜に身ごもったら、冷徹御曹司が溺甘な旦那様になりました
「母親が急に押しかけてきたりして本当にすまなかった。二度としないよう、きつく言っておくから」

 玲奈は笑いながら首を横に振る。

「ううん。私、祥子さんのこと大好きになっちゃった! また女子会したいですって伝えておいてくれる?」

 驚いた顔で目をパチパチさせている十弥に玲奈は続ける。

「祥子さんのおかげで、すごく大事なことにも気がつけたの」
「それは、なに?」

 柔らかな声で十弥が聞く。

「私、十八歳で家を出て、早く自立したような気になってたけど……全然そんなことなかった。いつまでも子どものまま。自分のことばかりで、母の気持ちを思いやったことはなかったなって」

 十弥は先にベッドに入っていた玲奈の隣に腰をおろすと、優しく目を細める。

「これから、思いやってあげればいい。時間はまだたっぷりある」
「そう、だね」

 玲奈も彼に笑顔を見せた。

(今度会ったときには、お母さんの話を聞いてみよう。どんな気持ちで私を育ててくれたのか。もしかしたら、少しは関係を改善することができるかもしれない)

 初めて、佐和との関係を前向きに考えることができた。これも十弥と祥子のおかげだ。
< 88 / 111 >

この作品をシェア

pagetop