エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。



 ***

「七瀬さん、お待たせしました」

「小鳥遊さん。今日はよろしくお願いします」


 今日は、小鳥遊さんとスイーツバイキングに出かける予定の日だ。前日まで現地集合だと思っていたが家まで迎えにきてくれた。


「こちらこそ、じゃあ行こうか」

「はい」


 小鳥遊さんはお父さんに挨拶をといっていたが急に会社に出勤することになってしまい対面することは叶わなかった。

 彼の車に乗り込み出発すると、二十分で到着した。お見合いの時はホテルを見る余裕はなかったが、ホテルのロビーは、大きなシャンデリアが天井についていて煌びやかな空間が広がっている。


「さ、行こう。レストランは最上階にあるよ」

「はい、楽しみですね」

「ああ」


 無表情だが、顔が少し動いた。笑うまではいかないが口角が数ミリ動いた気がする。

 エレベーターに乗り、最上階にあるフランス料理レストランに入るとスイーツがたくさん並んでいた。それは、キラキラしてて宝石のようだった。



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