エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。

「めっちゃ美味しいですっ」

「でしょ、良かった」

「私のも食べますか？　抹茶のティラミス」


　私が選んだのは濃い抹茶とクリームチーズのティラミスだ。抹茶のほろ苦さがとても美味しくて上品な味だ。


「口開けてください」

「え」

「さっき私も食べさせていただきましたし、小鳥遊さんもどうぞ」


　小鳥遊さんも渋っているようだけど、私もさっきは意を決した覚悟だったんだから！


「……っ、じゃあ、いただきます」

「はい」


　さっきとは立場逆転で彼の口にスプーンを向けた。


「美味しい」

「ですよね！」


　それからお皿の上のケーキを平らげると、二人用のチョコレートフォンデュを頼み小鳥遊さんと少しずつ食べた。