西岡三兄弟の異常な執着
「え…!?」
「え……」
花苗がかなり驚いている。

「黄河さん、身体…とゆうか、刺青見られるの凄く嫌がるんです。
胸には天使が彫ってあって、それは真白くんなので……
背中には、河と王冠をかぶった雀が彫っていて、まさに三兄弟なんです。
朱雀と真白くんはそこまではないんですが、黄河さんは刺青は神聖な意味があるからって言って……
だから、あまり見ないようにされた方が……」
「そうなんですね……わかりました」
山田が頷いた。

「皆さん、お待たせしました。
作業に戻りますよ」
「あ…じゃあ、私は部屋に戻りますね!」
森宮が戻ってきて、花苗が部屋に戻る為に踵を返した。
「花苗様、お茶をお持ちしますね!」
花苗の背中に向かって、声をかける森宮。

「ううん。今日はみんなお忙しいから、大丈夫ですよ!
ありがとう!」
「いえ…今日一日で一通り教えたいので、いつも通りご用意させてください」
「そう?じゃあ…紅茶をお願いします!
いつも、ありがとう!森宮さん!」
フワッと微笑み、部屋に戻っていった花苗だった。
森宮と自然と笑顔になり、花苗を見つめる。

「………」
水樹は花苗を見つめる森宮を見ていた。

それから、三兄弟が帰ってくる前までに掃除や洗濯、花苗の昼食準備、買い物をバタバタを行う。
「ご主人様達は、だいたい18時前後に帰って来られます。それまでにここまで終わらせてください。
そして通常は、僕もご主人様達と同行しているので、貴女方できちんとなさってくださいね」

水樹達のメモ用紙は、文字がギッシリ埋まり真っ黒だった。
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