西岡三兄弟の異常な執着
広い廊下をゆっくり歩く。
つい見渡してしまう、水樹達五人。

「凄っ……」
「あの絵、高そう…!」
「さすが、西岡家よね…」
みんな口々に話していた。

「私語は慎んでください。
あと“くれぐれも”失礼のないようによろしくお願いします」
大きな扉の前で、一度止まり森宮が言った。

「「「「「はい」」」」」

そして扉のノブに手を掛け、再度森宮が口を開いた。
「僕も含めて、貴女方は使用人。
西岡家の方々には逆らえません。
それを肝に銘じてください」
そう言って、扉を開けた森宮。

部屋の中はまた更に高級感があり、装飾品や家具など、どれも一流品だと誰でもわかる程の物でいっぱいだった。
(これをうっかり壊したりとかしたら大変だ……
それに寺門さんもだけど、西岡家の人達に凄く気を遣ってる……
今更だけど、辞退しようかな……
なんか……嫌な予感がする━━━━)
水樹は一人そう思いながら、早々に面接に来たことを後悔していた。

「では、こちらで横一列に並んでお待ちください。
ご主人様達をお呼びしてきます」
森宮はそう言って、一度部屋を出ていった。

残された、水樹達五人。
「西岡三兄弟に会える!」
「楽しみ~」
「朱雀様の奥さん……花苗さんだっけ?会えるわね!」
「どんな人か気になってたのよね~」

水樹以外の四人は、ワクワクしているようだ。
しかし水樹は一人……不安に襲われていた。


そして扉が開いた。
颯爽と現れた西岡三兄弟。
長男の黄河、次男の朱雀、朱雀に手を引かれた花苗、三男の真白の順に入ってきた。

水樹達は、思わず息を飲んだ。
それくらい、四人が美しかった。

オーラも凄く、まるで王族のようだった。

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