西岡三兄弟の異常な執着
「え……?ヤクザ?部下?
どうゆうこと?」
松久は頭がこんがらがり、その場にへたりこんだ。

「朱雀は、西鷹組の若頭だ」
「え……あの、噂の…?」

「一生……地獄を見せてやる」
黄河が松久の元に向かい、髪の毛を乱暴に掴み顔を向けさせた。
松久の顔が、絶望に歪んだ。

「でも、兄ちゃん達と“どうやって地獄に落とそうか”って考えてるところに、お前が失敗したらちょうどよかったな。
一生、タダ働きしなきゃな!お前も、身内達も!」
真白が黄河の横に立ち、松久を見下ろし言った。

「で、では、お給料一切いらないので、屋敷でいつも通り働かせてください!
なんなら、住み込みでも!
とにかく、家族には関係ありません!」
松久はそのまま土下座し、床に頭を擦り込むようにして言った。

「「「「はぁ!?」」」」
松久の言葉に、三兄弟だけでなく思わず森宮も声が出た。
「もう敷地内に、入らせねぇよ!?」
「君、バカだよね?」
「てか、よくそんなこと言えたな…!?」
「それに、貴女の魂胆見え見えですよ!
どうせ“また”花苗様に助けを求めるつもりですよね?」

「え……」
「僕、昨日起きてたんだよ?」
「嘘……」
松久は信じられない顔で、朱雀を見上げた。

「フフ…花苗が必死に力になろうとして考えるとこ、可愛かったなぁ!
…………でもさぁ!!!
花苗は俺のモノなのに、なんで?
花苗は俺だけのことを考えて、俺だけを見て、俺だけが触れることができて、俺だけの………
……………しかも!花苗の物を勝手に使って汚した……
あーーーー!!
ねぇ!!コイツ、殺っていい!!?」
朱雀が情緒不安定になり、発狂しだした。

「朱雀!!?」
「朱兄ちゃん!?」
「若様!!」
黄河達三人が、朱雀の元に向かう。
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