天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
『絢美が悩んでいたぞ。勇悟に嫌われているようだと』
その夜、聡悟が俺の部屋までに文句を言いにきた。絢美も聡悟も、自分たちの幸せだけ考えていればいいのに、どうして俺まで巻き込むのだろう。
『別に、放っておけばいいんじゃないのか?』
『そうはいかない。僕が帰ってくる前、絢美と話してたんだろ? 僕にはなにを話したか打ち明けてくれなかったが、お前の口からちゃんと謝っておけ。……泣いていたぞ、絢美』
『えっ?』
まさか、泣かせてしまったとは……。
『ま、僕が抱きしめて慰めたら、最終的に笑顔になってくれたけどね』
ますます後悔の念を深めていると、聡悟が口元に小さく笑みを浮かべ、勝ち誇ったように言った。
『……そうかよ。幸せ者だな、絢美は』
心にもない言葉を吐いた俺に、聡悟は満足げに微笑んで、部屋を出ていく。
結局、聡悟は惚気たかっただけか? しかし、どちらにしろ絢美が泣いたというのは事実なんだろう。
大人げない行動で傷つけたこと、ちゃんと謝った方がいいよな……。