天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~

《うん、わかった。なかったことにする。私こそ、ごめんね。迷惑とも気づかずチョコなんか持っていったりして》
『いや、別に迷惑とかじゃ――』
《こういう風に、変な感じになるのは寂しいからさ。今まで通り幼馴染っていうか、友達っていうか、そんな関係でいられたらいいと思うんだけど……勇悟は?》

 深刻な話はもうしたくないのだと言わんばかりに、俺の言葉をさえぎって明るく振る舞う絢美。

 もしかしたら、彼女は俺よりずっと大人なのかもしれない。こんな俺を許し、今までの関係を続けようとしてくれるなんて。

『もちろん、俺は構わない。勉強でわかんないところとかあったら教えるし、それ以外でも困ったことがあったら相談乗る。そうだ、また聡悟と三人でメシでも行こう』
《うん。約束ね!》

 こうして仲直りを果たした俺たちは、今までの関係に戻った。とはいえ俺と聡悟は大学卒業後間もなく臨床研修が始まり、忙しくなった。

 絢美も高校生から大学生になると時間が合わなくなり、会う機会は自然と減っていった。

 それでも会えば癒されたし、やっぱり絢美が愛おしいと思う。しかし、絢美が想いを寄せる相手は聡悟だという悲しい事実も動かない。

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