天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
きっと、聡悟のヤツが盛大に祝ってやるさ。俺はそうだな……小児科の子どもたちのために、サンタに扮装でもするか。
そんなことを考えていると、どんどん風が冷たくなってきた。
十二月のトロントは東京より格段に気温が下がる。白衣の上になにも羽織ってこなかったので、思わず首を縮め、腕をさすりながら早々と室内に入った。
医局に戻ると、俺以外の医師はすでに帰った後で、部屋はがらんとしていた。
俺も病院の近くにアパートメントを借りてはいるのだが、どうも帰るのが面倒で、残業ついでにここに泊まってしまうことが多い。
今夜も仕事量が膨大なので、そうなる確率大、だな。
鼻から軽い笑いを漏らし、パソコンに向かう。ちょうどその時、デスクの上に置いていた私用のスマホが短く震えた。
目線だけ動かして届いたメッセージの内容を読み、一度はパソコンに視線を戻す。しかし、すぐにもう一度スマホの画面に視線を戻すと、俺は「えっ?」と声に出して困惑した。
【貴船聡悟:昨日、絢美にプロポーズした】
聡悟がとうとうプロポーズを……。
俺たちの年齢を考えれば容易に想像できた展開であるはずなのに、俺は激しく動揺した。脈拍が大きく乱れ、体中から汗が湧き出る。