天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
【絢美の返事は?】
トーク画面を開いてそう打ち込んでみたものの、なかなか送信する決心がつかない。
やがて、聡悟から追加のメッセージが届く。
【絢美からは一週間後に返事をもらうことになっている。日本時間の十二月十七日、土曜日の夜に、両家で家族会議を開くよう手筈を整えているところだ。僕の勝ちだな、勇悟】
なんで、ふたりの結婚が決まる家族会議の日程をわざわざ俺に知らせるんだ。
それに、『僕の勝ちだな』って……今さらだろ、そんなこと。俺はずっと聡悟に負けっぱなしの人生だよ。
皮肉っぽくそう思った俺は、なにも返信しないままスマホを裏返して仕事を再開する。
しかし、気を抜けば聡悟と絢美が幸せそうに結婚式を挙げる光景が勝手に脳裏に浮かんで、俺の胸を苦しめた。
翌日の日曜は休日だった。昼頃まで軽く仕事をし、午後は久々に自宅に帰って掃除や洗濯をした。
しかし、ひと通りの家事が済んでしまうと、仕事以外に趣味もない俺にはやることがない。結局、自宅で軽く酒を飲みながら医学論文を読みふけるという、味気ない休日を過ごした。