天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
そして週明けの月曜日。朝の回診でICUに入り、土曜日にCABGを受けたスコットさんの診察を行った。
人工呼吸器はすでに必要なくなり、会話もはっきりとできる。胸痛発作も起きていないそうなので、状態を見てリハビリも開始できそうだ。
「少しずつ歩行訓練をしましょう。心臓のリハビリは早い方が効果的なんです」
「わかりました。命を助けていただき、本当にありがとうございます、先生」
「いえ。体に負担のかかる長時間の手術に、スコットさんが頑張って耐えたからですよ」
話しながら一連の診察を終え、別の患者のベッドに移動しようとした時だった。
「僕がここへ運ばれた時、付き添ってくれた女性がいたでしょう?」
スコットさんが不意に話し始め、俺は足を止めて彼の方を振り向く。スコットさんは俺と目が合うと、照れくさそうにはにかんだ。
「実は倒れる寸前、彼女にプロポーズしようとしていたんです。僕たちは家が近所なので、子どもの頃から家族のようにそばにいすぎて、デートを繰り返してもあまり男性として意識してもらえていなくて」