天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
なるほど。彼女は幼馴染だったのか。スコットさんはその関係から一歩踏み出したくて、プロポーズをしようとした。そう理解すると、ベッドに横たわる同い年のスコットさんが、急に眩しく思えてくる。
絢美への想いを胸に閉じ込めたまま、身動きが取れなくなっている俺とは大違いだ。
「だから、彼女に想いを伝えないままでは、死んでも死にきれない。先生、僕、早く彼女にもう一度気持ちを伝えられるよう、リハビリ頑張ります」
「……ええ。スコットさんが早く回復するよう祈ってます。もちろん、プロポーズの成功も」
笑顔でそう言い残し、スコットさんのベッドを離れる。そして、何食わぬ顔で別の患者の診察に移ったが、彼のまっすぐな視線や晴れやかな表情が、いつまでも胸に焼きついていた。
夕方、夜勤の医師に引き継ぎをして帰り支度をしながら、俺はなにげなくスマホを手にする。ほぼ無意識に操作をして画面に表示させたのは、先日聡悟から受け取ったメッセージだ。
――絢美にプロポーズした。
――僕の勝ちだな、勇悟。
繰り返しそれらの文言を読んでいると、全身が熱くなってくる。聡悟は事実をありのまま述べているだけなのに、どうしてこんなに俺は苛立っている?