天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~

 父は、勇悟と聡悟くんのことを『同じ顔』だと思っているみたいだけれど、私にとってはやっぱり全然違う。

 そばにいるだけで心臓が壊れたみたいにうるさくなるのは、勇悟に対してだけだ。

「飲食店は、あっちの建物の中だ」
「うん」

 再び勇悟に手を引かれて園内を移動していると、あちこちに飾られたクリスマスツリー、リース、巨大なオーナメント、サンタやトナカイののバルーンが心をワクワクさせる。

 勇悟が帰ってくるまで、三十路を迎えることがなんとなく憂鬱だったはずなのに、今では今日が生まれてから一番幸せなクリスマスイブと誕生日かもしれないって思ってる。

 私たち、このままうまくいったら結婚……?

 そうなったら本当に幸せだけれど、さすがに気が早いだろうと自分をたしなめた。


 目的のクレープを食べた後、今度はなにに乗ろうかと園内を見回していると、ふと知った顔がふたり、私たちに近づいてきた。

「絢美ちゃ~ん、偶然!」
「こんにちは絢美さん! まさかこんなところで会うなんて!」

 ほくほく顔で近づいてきたのは、上司の柿田さんと同僚の桃瀬さんだ。どうやらふたりで遊びに来ていたらしい。

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