天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~
私は先ほどクレープを買った店のそばに自動販売機があったのを思い出し、「私、買ってきます!」と申し出た。
柿田さんはよろめきながら立ち上がり、勇悟の肩を借りながらゆっくりベンチに移動する。
柿田さん、大丈夫かな……。
私は急いでクレープ店の入っている建物まで走り、中に入って自動販売機を探す。
記憶にあった一台はすぐに見つかり、焦りながらお金を入れて水のボタンを押した、その瞬間だった。
「絢美さん! まだ、戻らなくて大丈夫です!」
「えっ……?」
ガコン、と水のペットボトルが落ちてきたのと同時に、なぜか私を追いかけてきていた桃瀬さんに呼び止められた。
取り出したペットボトルを握ったまま、私はきょとんとする。
「どうしても絢美さんに伝えたいことがあったんですが、聡悟さんがそばにいると話しづらいので柿田さんがひと芝居打ちました」
「どういうこと?」
桃瀬さんの話がまったく飲み込めず、眉根を寄せる。柿田さんがお芝居までして私に伝えたい話って、いったいなに?