天才外科医と身ごもり盲愛婚~愛し子ごとこの手で抱きたい~

『あなたは聞いたんですか? 絢美の口から〝聡悟が好きだ〟と』
『直接はありませんが……いつもの絢美ちゃんを見ていれば誰だって』
『だったら、俺は俺の目で絢美を見て自分で判断します。絢美を心配してくれるのはありがたいですが、これ以上の口出しは無用です』

 きっぱりそう言うと、柿田さんは閉口した。そして気まずい時間がしばらく流れた後、絢美が桃瀬さんと一緒に戻ってきた。

 そこでふたりとは別れ、絢美とのデートが再開されたが、さっきより彼女に元気がない。

 もしかしたら、桃瀬さんからも絢美になにか助言をしたのかもしれない。しかし、そんな外野の意見などに振り回されず、絢美にも俺自身を見てほしい。

 そう思ったから、一夜を共に過ごそうと誘った。思い出の観覧車で、キスをした。プレゼントを贈った。

 絢美も喜んでくれているように見えた。俺と同じ気持ちなのだと思った。しかし……。

『ごめんね……聡悟くん』

 もし、そうではないのだとしたら。絢美が好きなのは、今も昔も聡悟なのだとしたら。

 一度胸に広がった不安は、みるみるうちに俺の心を侵食していった。

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