Tear Flowes〜絶望の向こう岸〜
しかし、どんなに悲惨な過去を持っていたとしても、それが犯罪に手を染めていい理由にはならない。フィオナは彼に対して怒りがあり、許せないのだ。

「……私の家族やシオンさんを何故殺した?何故、エヴァンをあんなにも傷付ける必要があった?答えろ!!」

劇を演じているかのように楽しげなマーティーに我慢できず、フィオナの口調が荒くなる。怒りで体を震わせるフィオナとは正反対に、マーティーは無邪気な顔を向けていた。

「お前の幼なじみには、特殊捜査チームの部屋の場所を吐いてもらう必要があった。俺には居場所を見つける能力はないからな。あいつ、なかなか吐かなくてついやりすぎてしまった。まあ、なかなか面白かったぞ。最後はマヌケな声を上げて気絶したがな」

「ッ!このクズが!!」

耐えきれなくなり、フィオナは拳を握り締めて殴りかかる。しかし避けられ、フィオナが回し蹴りをしようとすると、マーティーに足を押さえ付けられ、地面に投げ飛ばされる。
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