無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
部活終わったら……急いで図書室に行こ。
本当ならメッセージ送って待ち合わせとかいう発想になるだろうけど、静香先輩はスマホを持っていない。
最初聞いた時は驚いた……この時代にスマホを持ってない高校生がいるとか。天然記念物じゃないかと思う。
しかも、あまり必要としていなさそうなところも驚きだった。
静香先輩らしいと言えばらしいけど……ほんとに、知れば知るほど面白い人だと思う。
知れば知るほど……好きにならずにはいられない。
* * * *
いつもより早く部活が終わり、急いで帰る支度をする。
静香先輩、もう帰ってるかも……。
まだ、いますように……。
そう思うと、自然と足が速くなった。
いつの間にか、全速力で廊下を走ってた俺。
目的地について、そのままの勢いで扉を開ける。
ドアの先に、帰る支度をしていたのか本を抱えている静香先輩の姿があった。
ほっと、胸をなでおろす。