俺様御曹司は無垢な彼女を愛し尽くしたい

「遅くなってごめーん。で、どうしたの?」

「ううん、こっちこそごめんね。今日は貧血っぽくてお休みしたの。また生理がきちゃってさ」

「大丈夫?」

「うん。でもね、生理の出血がすごく少ないの。生理っていうよりピンクのおりものみたい。これって生理じゃなくて不正出血なのかなぁ?」

「不正出血かぁ。生理の周期的にはどうなのよ?」

「いつもよりちょっと早いかな?」

奈々はカレンダーを確認しながら言う。
自分の不安を人に打ち明けることで少し心が軽くなった気がした。
祐吾も話は聞いてくれるが、こういった女性特有の話はやはり女性同士に限ると思う。

「ねえ、それって本当に生理?」

「わからないの。だから不正出血かなって」

「いやいや、じゃなくてさ、もしかして着床出血じゃないの?」

「着床出血?」

奈々は耳を疑った。
着床出血は目にしたことがある。妊娠についてたくさん調べたので、至るところに書いてあった。妊娠初期に起こる症状で、ごく少量の出血、そして生理と間違えやすい。それに、着床出血はないことが多いと言われている。

毎回生理がきてしまうので、着床出血なんて疑いもせず今回も生理だと思い込んでいた。

「……まさか?」

「いや、わかんないじゃない。妊娠検査してみなよ!検査するくらいタダでしょ!あ、検査薬はちょっと高いか……」

「朋ちゃんは着床出血あった?」

「私は全然なかったわ」

朋子はあっけらかんと笑った。
あまり深刻にならず、かといってからかうわけでもなく真剣に相談に乗ってくれる朋子の存在は、奈々にはとてもありがたい。

その後はお互いたわいもない話をして、そうこうしているうちにまた赤ちゃんが泣き出し、それをきっかけにようやく通話を終えた。
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