そういう目で見ています
「それが、月蔵さんのツボなの?」

コクリと詩乃は頷く。

頷くしかないではないか!

頷いた詩乃の首元を、社長がその指ですうっと撫でる。

「ん……っ……」
はわわっ……あらぬ声が漏れてしまった!
慌てて詩乃は口元を抑える。

「感度までいいなら、最高だな。」
嬉しそうな声が聞こえた。

「え!?」

思わず今度は、自分のうなじを手で押さえてしまう詩乃だ。

「俺のこと、嫌い?」

嫌いなわけがない。

つい、そのスーツ姿ばかりを熱く語ってしまったけれど、そのお顔立ちもきりりとしていて、いわゆるイケメンなのだし。

詩乃のツボであるスーツは完璧だし。
社長なのだから、もちろん社会的立場もしっかりしている。

しかも取引先。身元はこれ以上ないくらいハッキリしていて。

その綺麗な顔がくすりと笑って、詩乃のうなじの手を退けると、ちゅ……とキスをして、甘く噛む。
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