苺にはもうなれない

私は武岡さんが何をそんなに考えているのか、よく分からなかった。


そして。




……ハッ!!





「あの、すみません。考えなしでした」


私は俯いた。




「ケーキ、買いに行きませんか?」
武岡さんが明るい声で言う。
「天気も良いから、公園で食べませんか?ちょっと寒いけど」


「はい!そうしたいです!」


武岡さんはニッコリ笑ってくれる。


それだけで嬉しくなってしまう。








映画館から少し歩いて、私達は「黒猫」の近くにあるケーキ屋さんに行った。


ケーキ屋さんに入ると武岡さんが被っていたキャップを少し深めに被り直した。






「どれにしますか?」

武岡さんが聞いてくれる。


「えー!どうしましょう!苺のショートケーキも、このチョコレートケーキも美味しそうですね」

私は本気で迷ってしまった。



「じゃあ、2つとも買ってオレと半分ずつ食べませんか?」


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