苺にはもうなれない

「いいんですか!」

「いいんですよ」
武岡さんは、あはははっと笑った。



お会計の時、私も支払うつもりだったのに。

武岡さんが2つとも支払ってくれた。



「……いいんですか?」

「えっ?いいんですよ。……って、これ言うの2回目!」
そう言ってまた笑ってくれたから、私は甘えることにして一緒にあはははっと笑った。






公園に来た。


以前ふたりで座ったベンチ。

あの時は悲しくて、寂しい気持ちだったけれど。

今日はウキウキした気持ちで座る。



ケーキの箱を開ける。

「メリークリスマス、武岡さん」
そう言って、お店で貰ったフォークを武岡さんに渡す。

「メリークリスマス」
武岡さんはフォークを受け取る。


「オレ、ケーキ食べるのは久しぶりです」

嬉しそうに見えたので、
「甘いもの、お好きですか?」
と聞いた。

「そうですね、好きなほうだと思います」


私達は目を合わせて、
「いただきます」
を言った。

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