Don't let me go, Prince!



「いいえ?弥生さんがそう思っているのならば、私が思い出すべきことなんだと思うわ。弥生さんは私が思い出すのを……いつまで待っててくれる?」

「いつまでも待ちますよ。そういう渚だからこそ……貴女なら私を、と思いました。再会は偶然でしたが、渚が少年と帰る姿を見て身体が勝手に動きました。」

 私なら弥生さんを何なの?大事な所をいつも貴方は教えてくれない。それは言えない事なの?それとも私に考えて答えを出して欲しい事なの?

「それであの時は私に話しかけてくれた、と?」

「そうです。渚が思っているよりも、私は渚を必要としている事だけは理解して欲しいのです。」

 弥生さんが私を必要として……?それはどういう意味で?そこに貴方からの愛情があるのだと私は信じていてもいいの?

「たった3回のデートでプロポーズしたのも?」

 最初は驚いたけれど真摯な弥生さんの態度を見て、迷わずその手を取った時の事を今でもはっきりと覚えてる。

「……そろそろ時間です。今日はここまでですね。」

 時計を見れば、確かにもうすぐ0時になる。何だか弥生さんに計算されたかのような終わり方だわ。

「あの……今日も一緒に寝るの?」

 昨日の事が記憶にない分、改めて一緒に眠るのかと思うと少し恥ずかしい。

「そんなに渚が一緒に眠るのが嫌なのならば、布団を借りてきますが?」

「そうじゃなくって……」

 どうして、こんな時の私の気持ちはちっともわかってくれないの?嫌なのならばもっと貴方の事を知りたいなんて言う訳ないでしょう?



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