Don't let me go, Prince!
意地悪な事を聞いてる自覚はあるの。プロポーズの時の心境なんて、あまり妻には知られたくないでしょう?
「渚は本当に私の全てを受け入れる覚悟がありますか?本当に私が何を話してもここに居てくれますか?私は渚が思っているよりも、ずっと狡い人間かも知れませんよ?」
「それって……?」
弥生さんの全て……?貴方を全て受け入れると答えれば、弥生さんは私にもっと心を開いてくれるの?私たちはもっと分かり合う事が出来る?
弥生さんは鞄からこの部屋の鍵を取り出して、私の手を広げさせてその上に置いた。いままではこの鍵を私には触れさせてもくれなかったのに。
「……渚、私はこの部屋の鍵を貴女に預けて行きます。明日の19時には私はここに戻ってくるので、渚が決めてください。」
「何?何の話をしているのよ?」
弥生さんの言う事の意図が掴めなくて私は困惑する。この大切な鍵を預けて、貴方は私に何を決めろというの?
「私には他にも隠している事が沢山あります。そんな私でも渚が受け入れてくれるというのならば、部屋に残っていてください。そうでないのならば……この鍵を使い部屋から出て実家に戻りなさい。私は渚を二度と追わないと約束します。」
それは分かってるわ。だって私はまだまだあなたの事を知らなすぎる。それでも急に「実家に戻れ」なんて訳が分からないでしょう?
「どうして急に?私はきちんと弥生さんに妻でいたいと証明して見せたはずよ?」
受け入れる気が無いのなら、貴方の前で服を脱ぐなんてしなかった。その覚悟は弥生さんにも伝わっていると思っていたのに。
「ええ、だからです。もう私は渚と夫婦として次のステップに進むことを望んでいます。意味は分かりますよね?」