Don't let me go, Prince!
彼は指を抜いて少しだけ私から離れた。……避妊具、付けるんだ。まだ子供は望んでないって事?
いままで抱き合った事も無いのだから子供について話し合ったことももちろんない。子供について口出しをしてきたのはお義父さんだけだ。
今の状態ではそんな事は聞けなくて……いつかそんな事も話せるほど貴方に近寄りたい。
「服……脱がないの?」
弥生さんはパジャマを着たままだ。抱き合う時に服を脱がない弥生さんが分からない?
抱き合う時の素肌の触れ合いが私は好きなのだが、彼はそうではないのかしら?
「すみません、渚。」
なぜ?どうして謝るの?何か弥生さんが謝らなきゃいけないような事を私は言った?
そう聞く暇も与えてくれず、少し強引に弥生さんは私の奥へと挿入して来た。
「あっ、やあああぁっ……!」
今まで経験したことの無い質量のソレに、一気に奥深くまで貫かれて身体がガクガクと震える。
私の震えが収まるまで待ってから弥生さんはゆっくりと私を揺らし始めた。
最初は優しかった律動も徐々に激しさを増し、そのうち私はただ弥生さんの首に手を回して感じることしか出来なくなった。
「……よい、さんっ……はっ、あぁっ……わたし、また……っ」
何度も何度も果て、それでも弥生さんは私を離さず揺らし続ける。
奥深くまで何度も何度も突かれて、私はもう快感でまともな意識も保てない程になっていた。
「おか……しくなるっ、私……おかしくなっちゃいそう……やよいさんっ……!」
もう何度目か分からない絶頂に頭も体もトロトロに蕩けさせられて。彼とシーツの隙間でポロポロと涙を流して何かを懇願した気もする。
感覚だけが全てになってしまいそうな世界の中で、弥生さんの声が聞こえたような気がした。
「……おかしくなればいい。おかしくなるほどに私に愛されなさい、渚。」