ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
今日、会談なはずじゃ…。



「(…ごめんね?)」




相手の令嬢に気づかれないようにして、口パクで謝られる。



やられた。



嫌な予感で終わりたかった。



そんな思いは儚く散り、これから私は面倒事に巻き込まれるのだろうと確信してしまった。



「私は、グロスター公爵家の一人娘マリアですわ。

ルイ様とはいずれ婚約する予定ですの。
そんな私達にどんな用件でいらしたの?」




テーブルを挟み対面で向き合っている私と彼女。


聞いてもないのにマウント取られて。



無理やり連れてこられたって言ってやりたい。



そんな私をに気づいたのか、隣に座るルイは机の下からそっと私の手に触れる。




言うなってことね。




「ご挨拶が遅れてしまい申し訳ございませんマリア様。

私は、騎士団長の1人アラン様の親戚に値するランカスター公爵家の娘エマと申します。

以後お見知り置きを。」




事前に打ち合わせしていた自己紹介。



そして私はずっと口角を上げている。



頬が吊りそうで落ち着かない。
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