ルミナス～双子の王女と7人の騎士団長～

「もう来たか、仕方ない。ルチア行くぞ。」



「ちょっと！降ろしてよ！


あ、ノア本当にありがとう。ちゃんとお風呂入ってね！」




ハチミツを被って、ハンカチをさりげなく渡したけど拭き切れるはずない。



状況を理解できていないノアはそのまま口をポカンと開けた状態で、小さくなっていくのを見ていた。




「あんた、いい加減仕事しなさいよ！」



「これが仕事だって最初に言わなかったか？」



また言ってる。


本当にあんたがこれしかやっていないのなら、とっくの昔に城から追い出されてるのよ。




「はいはい。ジェラルドそこまでだ。」




聞き覚えのある声に、振り向こうとした。



「ごめんな、ルチア。

急いで来たんだが、遅かったよな。」



そう言いながら、厄介犯に担がれていた私を彼はヒョイっと奪い横抱きにする。



鼻の先と先が触れそうなくらい近かった。



「アラン！」



そう、いつも困った時は絶対に助けてくれる彼。




「ジャック、急に頼み事して悪かったな。」




「別にいい。アランの頼みを断る理由なんてないしね。


それにルチアとも初めて2人で話せたから。」



今日ずっと、私を助けるために罠にかかったり姿を見失っても、見つけ出してくれたジャックもいた。



「ジャック、今日はありがとう。

アランも助けてくれてありがとう、もう大丈夫だから降ろして。」



「お前隙ありすぎるから駄目だ。

部屋まで行ったら降ろしてやるよ。」