ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
✳︎✳︎✳︎


「はぁ…はぁ…。

私、いつの間にか寝ちゃってたんだ。」


窓から外の様子を伺うと、闇に包まれていた。
この景色が落ち着くと同時に、悪夢が蘇る。


苦しくて、息ができない。
逃げたいのに逃げることができない。
忘れたいのに忘れる事を許されない。


なぜなら、私が災いを齎したから。



私のせいで私にとっても、私の大切な人にとっても大事な人。



大好きな人の命を守れなかった。
いつも守られてばかり。




二度と悲劇を繰り返さないために私は、誰とも関わらない。
1人で生きていくことを選ぶ。




愛なんていらない。
感情なんてとっくの昔に捨てた。



こんなに鮮明に悪夢が蘇るのは、きっとあの騎士のせい。
今更城に戻れって何を考えてるのかわからない。


ルミナスの命と言われてもどうせ‘’王“が言いだしたことだ。



絶対に指示に従うつもりはない。


そう誓い再び私は眠りに落ちた。


太陽が昇りはじめた朝方。
辺りは薄暗い頃にまた、“あの光景“が出て目を覚ます。


なんで…?前はこんなに出て来なかったのに。
最近毎日出てくる気がする…。


いつもなら落ち着く家の中が息苦しく感じて外へ出る。


「……っ!?」


いるはずのない人がいて声にならなかった。


「やっと出てきてくれました。
ルチア様、俺と一緒に城に戻りましょう。」


ドアの横に背を預けて立っていたのは、昨日来た背の高い騎士だった。
< 3 / 157 >

この作品をシェア

pagetop