ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
私の苛立ちのレベルは当に超えている。
これはいつものことだが、何を言っても今は怖くない。
国王は至って真面目な話だと言わんばかりに、私の顔を見据える。
「重要なのはこれからだ。
何故レイになりきれと言ったのか。
それは、先日デスラスト王国から手紙が来たからだ。レイを寄越せとな。」
国王の話を聞く限り、レイはルミナスとして選ばれたが、ルミナスの力がまだ不完全らしい。
その事はデスラスト王国にも耳に届いていて、レイを渡せばクリスタル王国には手を出さないのだと言う。
光の国クリスタル王国と、闇の国デスラスト王国は、長きに渡る戦争が続いている。
デスラスト王国には、数十年に一度オニキスという魔法石が存在する。
オニキスは、手にした者・その周り全てを闇に包む恐ろしい魔法石。
その魔法石をデスラスト王国の王が、所持したらしい。