フォンダンショコラな恋人
それは『身八つ口』と呼ばれる着物の脇にある隙間だ。

通常は体温調節や、着物の着付けのズレを直したりするためのもので、決してそこから手を入れて素肌に触れるためのものではない。

「ん、んっ……」
「髪をアップにしているから、首元も堪能できるし、こんな風に着衣のまま肌に触れて翠咲が息を乱すところが見られるしね、いいな、浴衣って」

「や……もう、陽平さんっ……」
「んー? うん、何かな」
そんなことを言いながら、不埒な手が翠咲の胸にそっと触れた。

翠咲から、ふ……と吐息が漏れて陽平は嬉しそうだ。

胸元の先端の敏感なところをつん、と指でひっかかれて、翠咲の口から甘い声が漏れる。

「陽平さん、待って……私、汗かいてて……」
「うん。首元、汗かいていたね」

「あの、恥ずかしいんですけど」
「もう舐めちゃったよ」
けろりと陽平はそんなことを言う。

「っ……信じられないっ……」
「シャンプーみたいな爽やかな香りと、翠咲の匂いが混じって、すごく興奮するんだけど」

「やだやだっ!」
翠咲は真っ赤になって抵抗した。
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