フォンダンショコラな恋人
「やだって……夏なんだし、こんな浴衣なんて着ていたら、汗をかくに決まっているだろ」
けろりと舐めちゃったなんて言われて翠咲は動揺しまくっているのに、倉橋は平然としている。

もう!この人のこういうところ!!

「シャワー浴びたいですっ!」

「浴びなくてもいいよ」
「ぜっっったい、やだからっ!」

「僕も汗かいてるし」
「シャワー浴びてください」
翠咲は真顔で返した。

「一緒なら浴びてもいい」
倉橋からも真顔でそんなセリフが返ってくる。

意味がわからない。

「あの……私、そもそも泊まるつもりで来てないんですよね」
「着替えなら持っているよな? あれ、今洗濯しておけば明日までには乾くと思う。下着もついでに洗ってしまえば?」

何だろう、淡々と論理的に言われると、それでいいのかなって気持ちになってしまうのだが。

「明日まで私、下着なしってことですか?」
「いらないだろ」

う……。もう言葉に詰まるしかない。
意味なんて逆に聞きたくない。
説明されたら、絶対に恥ずかしい答えしか返ってこないような気がする。
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