フォンダンショコラな恋人
でも……甘えてもいいんだ、この人には。
そんなことを思えるのも陽平だけだから。
ふわりと翠咲が身体をもたれかける。
ん……?

「あの……腰に……」
「大好きで、可愛いくて愛おしいなあって思う人とお風呂でじゃれあってたら、誰だってこうなると思うぞ。ていうか、今のは翠咲がもたれてきたからだろう。意識しないようにしていたのに」

翠咲が意識しないよう、下半身が密着しないように注意してくれていたようだ。
ふと見上げたその顔はふわりと赤い。

翠咲に黙って汗とか舐めようとしたり、シャワーを一緒に浴びるのに淡々と理論攻めしてきたりするのに、時折こんな風に陽平の気持ちが漏れてくるのは、何だかとても嬉しい。

翠咲もそっとその固くなったものに触れてみた。
「こら。いたずらするんじゃない」
「でも……おっきくなりましたけど」

陽平じゃなかったら自分から触れたい、なんて思わない。
この人だから、こんな風にしてくれるから、翠咲も素顔を暴いてしまいたくなる。

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