フォンダンショコラな恋人
「早っ!」
「時間を無駄にする意味が分からない」

同期の誰もそんな話は聞いていなくて、あまりの急展開に早いと反応すると、淡々と陽平にそう返されたのだ。

「まあ、そうかも知れないけれど……」
「結婚式は? するんだろう? 同期呼ぶなら早めに言っておかないとスケジュールが難しくなるぞ」
「ああ、結婚式……そうだな」

気づいていなかったが、実はこの頃、陽平はかなり酔っていた。

あまりにも顔に出ないため、同期にも気づかれていなかったのだ。

だから結婚式なんて言われて、ほんわ……と翠咲のドレス姿などを思い浮かべてしまったりしていた。

──いや……ドレスもいいけど、白無垢……絶対似合うだろう。どっちが……いや両方か?

「倉橋……大丈夫か?」
「相当本気なんだろ。まあ結婚するって言ってるくらいだし、あの倉橋が同棲だぞ?」

陽平が誰かに心を許すなど考えられない。
淡々と誰かを追い詰める姿なら何度も見てきているけれど。

「どういうところが良かったんだ?」
「翠咲はぁ……すごく一生懸命で頑張り屋なんだ。僕の肩書きなんて目もくれなかった。誤解されたくないって初めて思っ……吐く」
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