フォンダンショコラな恋人
「わー!! バカ! ここで吐くんじゃねーよ!! 顔色を変えろ! お前は~~!!」

個室は一瞬にして阿鼻叫喚の世界になった。
なんとか、個室での放出を免れた陽平は、真っ青な顔でお手洗いから出てくる。

「なんか、すげー酔った」
「そんな風になるのも初めて見た」

「愛しの翠咲ちゃんの代理人が出来なくて拗ねてたからな。判決が出てほっとしたんだろ」
陽平は同期の顔をキッと睨む。

「論破してみろ」
「事実には逆らわない」
挑戦的な発言にも事実であれば逆らわない、というのは陽平らしかった。

全員毒気が抜けたようになる。
その時だった。
陽平の携帯が振動しているのに気づく。

陽平は画面をタップした。
「翠咲? んー、……え? ああ、すごく酔ってしまったかも……」

その携帯をひょいっと取り上げたのが、以前法廷で一緒になった真田だ。
「おい!」

「翠咲さん初めまして! 同期の真田と言います。倉橋、すごく酔ってしまったんで、良かったらご自宅までお送りしますよ。いいえ ~! とんでもない。飲ませすぎたわけじゃないんですけど、どうやら翠咲さんの代理人が出来なくて、拗ねて悪酔いしたみたいです」
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