フォンダンショコラな恋人
へらりとそんな風に真田がいうのを、悔しそうな顔で陽平が見ている。

「えー本当ですかあ? じゃあ、遠慮なく、お邪魔しますー。住所は……ああ! あのマンション! いいところにお住まいなんですねえ。はーい! では後ほど……」

そうしてさっさと電話を切った真田が満面の笑みで、陽平を振り返った。
「翠咲さん、いい人だな~! ぜひお寄りくださいって!」

「社交辞令も分かんないのか」
「いやー、ぜひお寄りくださいって……」
2回言うな!そんなに大事か!?

抵抗したい陽平だが、先ほどから今度は頭が痛くなってきていて判断力が鈍っていることを感じる。

──くっそ、面白がりやがって!!

時折足元までふらつくので、にやにやしている真田が手を貸すのも腹立たしい。

陽平は本当にこんな風になったことはなく、けれど、今後こいつらの前では酒量は制限する!と固く心に決めたのだった。

「そうと決まったら、さっさと行こうぜ!」
まさかこいつ、最初からそのつもりだったんじゃないだろうな!?

マンションに帰ってきた、よろよろの陽平を見た翠咲は驚いていた。

「陽平さん!? うわ! 本当に酔ってる。大丈夫? 皆さん、すみません。陽平さんリビング行ける?」
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