【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
怒ってるのは、瑠衣の方じゃないの?
瑠衣はちゃんと話し合おうとしてくれてたのに、逃げたのは私だから。
「今日、月乃をここに呼んだのはあの日のことを謝りたかったんだ。無責任なことをして、本当にごめん」
「……私の方こそ、ごめんなさい」
さっきまで楽しく飲んでいたはずが、気まずい空気が流れている。
私たちになにがあったのか。それは、3年前に遡る。
***
瑠衣とは、ずっと友達でいたいと思ってた。
いつか瑠衣に本命の恋人ができて、結婚するようなことになったとしても、この想いに蓋をして祝福しようと決めていたの。
私たちの程よい関係が崩れたのは、大学4年生の3月。
その頃、瑠衣は1ヶ月ほど付き合っていた彼女と別れたばかりだったな。
お互いに就職先が決まり、卒論も終わって余裕のある時期だった。そんな時に、瑠衣から2人だけで卒業祝いしようと誘われた。