【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
「瑠衣、瑠衣」
「……んー」
「私、そろそろ終電近いから片付けしたら帰るね」
寝ている瑠衣の体を揺さぶって、片付けるために立ち上がろうとする。
すると、瑠衣が私の腕を掴んで引き止めた。
「もう少し側にいてくれ」
珍しく私に少し甘えるようにもたれかかってきているのが、可愛く思えた。
いや、キュンとしてる場合じゃないでしょ私!
アルコールを摂取しているからか、ぼんやりしている瑠衣のほっぺたをぺちぺちと軽く叩いてみる。
至近距離で見つめ合うと、赤らんだ顔を更に近づけだした。
まさか、キスしようとしてる?
「る、瑠衣……?酔っ払ってるの?水でも飲んだら……んっ!」
予想は的中して、熱を帯びた唇が強引に重なる。
同じワインの味のする舌で、口の中を舐め回された。
「………つきの……」
逞しい腕で抱きしめられて、身動きが取れない。