【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
段々と貪るようになっていく深いキスは、恋愛経験が無いに等しい私にとってすごく苦しいものだった。
だけど、それ以上に心地良くて、抵抗しようとする体と裏腹に、心では彼を求めていた。
こんな気持ちいいキス、知らないよ。
翻弄されているうちに、気付けばソファに押し倒される形で瑠衣が私の上にのしかかってきた。
「待って、それ以上はダメだよ!ひゃっ」
あっという間に衣服を乱され、身体を弄られる。
何度もやめてって言ったけど、やめてくれなかった。アルコールと不慣れな深いキスで、すっかり酔ってくたくたになっていた私が抵抗したところで意味なかっただろうけど。
同じくお酒とその場の空気に酔っていた瑠衣は、完全に欲情した目で私を見下ろしている。
女性経験が豊富なだけあって、簡単に私を蕩けさせてくる。私はもう観念して、戸惑いながらも快感に溺れていくしかなかった。
ついさっきまで『親友』として接していた相手にそんなことをされて、酔いも醒めるくらいものすごく恥ずかしかった。
しかも、最中に掠れた低い声で「可愛い」とか「上手にイけてえらいな」って耳元で囁くから、余計に恥ずかしさが増すばかり。
それから、瑠衣に軽々と身体を抱き上げられてベッドに連れていかれると、そのまま最後までした。
私が初めてだったこともあって気遣ってくれてはいたけれど、やっぱり手は止めてくれない。
愛おしそうに名前を呼ばれて、一気に全身が熱くなり、ドキドキが止まらなかったのを今でも鮮明に覚えている。
「月乃、好きだ」
「もっとお前が欲しい」
普段は言わないような甘い言葉を情熱的に伝えられ、身も心も甘く溶かされた。抱かれている最中の意識や記憶は、殆ど残らなかった。
翌朝、乱れたベッドの上で裸の瑠衣に抱き締められた状態で目が覚める。