【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
『昨日はごめん。ちゃんと話をしよう。このままで終わりたくない』
瑠衣から会うのをやめようと告げられるのが怖くて、徹底的に避け続けた。自分でも臆病者だと思う。
しばらく瑠衣はめげずに私と話をしようと粘っていたけれど、やがて連絡が来ることも減っていき、顔を見る機会すらなくなっていった。
最後に見たのは、卒業式の時だったかな。大勢の華やかな女性たちに囲まれてる中、こっちに来て笑顔で私のことを褒めてくれた。
「着物、似合うな」
それに対して曖昧な返事しかできなくて。
そして、卒業後はまったく連絡を取らないまま、今に至る。
ちゃんと瑠衣と向き合わずに、一方的に終わらせた私はどうしようもない最低人間だ。
無責任なのは、間違いなく自分。
本当は瑠衣のことが大好きだったのに、こんな別れ方になってしまって、ものすごく後悔してる。