【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
でも、私たちの築いてきた関係や思い出をこれ以上壊さずに済む方法が、他に思いつかなかった。
社会人になって、ふとした瞬間に無性に瑠衣の声を聴きたくなることがある。
映画館の前を通るたびに、懐かしくなり立ち止まって思いを馳せた。
よく2人で新作映画見に行ったなぁ……
何度も瑠衣に会いたくなったけど、私から縁を切っておいて、今更会いたいと言える資格はない。
せめて、なにかの機会に彼と再会できた時には、今度こそ親友として向き合えるようになろう。
大学生のときには、一応何人か恋人はいた。
それなりに相手を想って楽しく過ごしていたけど、長続きしなくて、あの人と同じくらい好きになれる人はいなかった。
決して叶わない不毛な恋だったけど、三年経った今でも私の心の中に強く残っている。
私のことだけを想ってくれる相手を好きになりたいと思って過ごしてきた。