【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。


それなのに、いざ再会してしまうと決意は崩れて、彼の誘惑に心が揺れてしまう。


瑠衣の嫌いな“面倒くさい女”にならないためには、ただの友人として程よい距離を保ってないといけない。

あの日のことは、一度きりの過ちとして忘れないといけないのに。


***


目の前に、少し大人になった瑠衣がいる。


あの日逃げたことを謝るのも、長年秘めていた想いを伝えられるのも、今しかない。


そう思って、私は深呼吸してから重い口を開く。


「私、本当は瑠衣のこと好きだったんだ」


瑠衣は俯いていた顔をあげて、驚いた表情をしている。

返事は分かってるから、聞かないよ。


「でも、瑠衣にとって私はただの友達だから、気持ちを伝えてしまったらもう一緒にいてくれなくなるんじゃないかと思って今まで言えなかったの。

そんな時に瑠衣と一線を越えて、対等な関係でいられなくなったと思い込んで、今までずっと瑠衣を避けてた。ごめんね……私のことは忘れて、別の人と幸せになって。さよなら」


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